飲食店経営の大変さ
「ビジネス」というものは「弱肉強食」です。そして「飲食店経営」は特にその「典型」です。近所に自分の飲食店よりも「安くて美味しい」飲食店ができてしまえば、確実な自分の店を維持していくことは難しいでしょう。すべての飲食店はそのような熾烈な「生存競争」を戦い続けているということです。これから飲食店を立ち上げようかと考えている人は、「自分は何屋か」ということをよく考えた方がいいでしょう。「ラーメン屋」が「牛丼屋」に潰されるということは稀です。なぜならば、私たちは「毎日牛丼だけ食べて生きていく」ということに耐えられないからです。その日の気分によって、食べるものを変えたいのです。ですが、「まずくて高いラーメン屋」と、「美味しくて安いラーメン屋」が近くにあった場合、迷わず後者を選ぶものです。なぜなら、わざわざ「まずくて高い」ものを食べる理由がないからです。この「まずくて高いラーメン屋」は、「美味しくて安いラーメン屋」との「戦い」に敗れたということになります。その際、牛道屋はあまり要因としては関係ありません。
一般的にチェーン店の牛丼は「ラーメン」よりも「安い」ものです。ですから、チェーン店の牛丼ほどの価格をラーメン屋が打ち出さない限りは、「戦争」にならないのです。「戦場が交わらない」ということになります。飲食店の存亡がかかる時は、この「戦場」が交わるときです。つまり「競合」が現れた場合です。「競合」との戦いを制することが、「店舗を維持する」ということのために必要なこととなります。この「戦い」に敗れれば、その飲食店には未来はないといってもいいでしょう。それほどまでに、この資本主義の「自由競争」は熾烈なのです。
飲食店においての戦いは、「どれだけのお客さんに来てもらうか」ということです。そのためにはどうすればいいのかということを「考える」ことです。「ただ美味しいものを作り続けたい、それを誰かに食べて欲しい」という希望だけでは、それは成立しないのです。「競合」がいる限り、戦いです。そして「競合」は、「ビジネス」になるような「市場」には必ず現れます。それは「誰もがお金を稼ぎたいから」です。売り上げを伸ばし、利益を上げることは、「富を築くこと」です。誰もが「そうしたい」、「そうありたい」と願っていて、そのために「戦う」ことが許されているのが現代の社会です。
ビジネスは時に「冷酷」です。お客さんというのはとても正直で、冷徹なのです。そのようなお客さんを相手にする以上、そこには必ず「知恵」が必要になるのです。その「知恵」は簡単には出てくるものではなく、経験などから導き出されます。その「ノウハウ」だけでビジネスになるほどです。飲食店経営はとても大変です。「美味しい料理」は当たり前です。それを如何にして人に食べてもらうか、それも「何度も来てもらえるようにするのか」ということが、最大のポイントです。これから飲食店を経営したいと考えている人は、「これから競争に参加するんだ」ということを忘れてはいけません。ただ料理を作るだけでは生きていけないのです。戦わなければ、自分の飲食店は守れないのですから。